グリーフケア
グリーフ(grief)とは、悲嘆や悲しみと言う意味の英語です。
死別で起きる喪失感の中には、悲嘆以外に怒り、事実の否認、後悔や自責の念などがあり、時には不眠や食欲不振などの体調不良といった形で症状が現れることもあります。
つまりグリーフケアとは、配偶者、親、子供、友人など、大切な人を亡くし、大きな喪失感に襲われている人を立ち直らせるためのサポートのことを指します。
これは、1960年代に米国で始まったとされ、英国やドイツなどでも広く浸透しています。
死別により起こる得る様々な変化
心や身体の不調による日常生活の変化をまとめてみました。
<精神(心)的な反応>
長年に渡る故人に対する「思慕」から、感情の麻痺、怒り、不安、 孤独、寂しさ、やるせなさ、罪悪感、自責感、無力感などが症状として表れます。
<身体的な反応>
上記のような精神的ダメージから、睡眠障害、食欲障害、体力の低下、健康感の低下、疲労感、頭痛、肩こり、めまい、 動悸、胃腸不調、便秘、下痢、血圧の上昇、白髪の急増を感じる、自律神経失調症、 体重減少、免疫機能低下などの身体の違和感、疲労感や不調を覚えます。
日常生活や行動の変化
ぼんやりする、涙があふれてくる、多くの「なぜ」「どうしよう」の答えを求められ、 死別をきっかけとした反応性の「うつ」により引きこもることもあります。
また、落ち着きがなくなる、 より動き回って仕事をしようとする、故人の所有物やゆかりのものは一時回避したい思いにとらわれますが、 時が経つにつれ愛おしむようになるなど以上のような症状は混在して起こり、きっかけさえあれば何年か後に再発することもあります。
悲しみを癒すために
グリーフケアでは、対象者が事実を受け入れ、苦境を乗り越えられる援助をするために医療従事者や心理士などの専門家のほか、自助グループも担い手となります。
しかし、最終的に悲嘆からの脱却は、対象者自身の力で乗り越えていかなくてはなりません。
そのため、少しでも事実を受け入れられる事前準備をしておくことも大切です。
例えば、今回記述したようなグリーフにより起こりうる一般的な知識をもち、悲しみに直面した時は 周囲の情けや助けを素直に受け、時間をかけてでも立ち直る努力をしましょう。