手元供養
手元供養とは、故人の遺灰や遺骨を手元に置いて供養することをいいます。故人をいつも身近に感じていたい、いつもそばで見守っていて欲しいという考えから、宗派や形式にとらわれない新しい供養の形として注目されています。
時代と共に供養の方法も多様化し、自分と故人、それぞれの供養の想いに応える対象となっています。
全ての遺骨を手元供養する方法のほか、お墓への納骨や散骨など他の供養と合わせて行うことができます。
手元供養が選ばれる理由
近年手元供養が一般化してきた理由として以下のことが挙げられます。
- ●故人を身近に感じることができる
- ●お墓を用意する経済的・時間的な負担を減らすことができる
- ●お墓参りが難しい(先祖代々のお墓が遠い、高齢で体力的に厳しいなど)
- ●仏壇がない、あるいは置く場所がないのでこのような形でそばに置きたい。
- ●分家なのでお墓までは、とお考えの方
- ●お墓の継承者もなく、いつか無縁仏になる可能性がある
手元供養と法律
遺骨を自宅に置いて問題があるのでは?と思う方もいるでしょうが、遺骨をお墓に入れなければならないという法律や義務はありません。自宅で保管することは公に認められています。
墓埋法では遺体の火葬までは規定していますが、その後の焼骨の扱いについては特に規定はされていません。保管場所や保管方法は自由に決めてよいのです。
ですから必要な手続きなどもありません。
また、分骨するとよくないという話も聞きますが、これは全く根拠のない迷信です。
保管方法と加工アイテム
手元供養にはさまざまな保管方法やアイテムがあります。
<納骨型>
手元供養のための骨壷は手のひらサイズの小振りなものが多く、デザインや素材も、陶器製のものからガラス製や金属製、小瓶型など一見骨壷と分からないものまでさまざまな種類があります。また、遺灰や遺髪を入れるカプセルの付いたオブジェやペンダント・ブレスレット、指輪などのアクセサリーもあります。必要な物は保管用容器のみのため、最小限の手間と費用で供養することができます。
<加工型>
遺灰や遺骨、遺髪を粉砕し、メモリアルダイヤモンドやペンダントトップに加工するタイプです。
手元供養をする場合には、特に手続きは必要ありませんが、手元供養のために分骨した遺骨を納骨する際には分骨証明書が必要となります。遺族が亡くなった際に一緒に納骨するなどの予定があれば、火葬場または墓地の管理者に分骨証明書を発行してもらっておく必要があります。また、手元供養は新しい供養スタイルの為、特に親族の了解を取ることをおすすめします。